学習院大学新学部設置にかかるビジュアルデザインを担当させていただいていますが、先月毎日新聞一面全15段広告と、読売新聞全5段広告をデザインさせていただきました。※いずれも首都圏版

今月初めに行われたオープンキャンパスでは例年をはるかに上回る盛況振りで、配布資料不足が起こるなどてんやわんやで、嬉しい悲鳴だったそうです。

もちろん学習院大学広報センターの方々の弛まぬ努力と想いが導いた結果ではありますが、ビジュアルデザインでそうした熱意を少しでも反映、可視化できたとしたら、それはうれしい限りです。

代名詞であるオカッパ頭に丸メガネ、口元の髭と奇抜なファッション、そして傍らには猫、というセルフブランディングを演出して藤田が撮られた写真ではない。
藤田が撮った写真である。これがなかなか、いい。
それとは好対照で演出ではなくごく自然。だから記録性よりむしろ追憶の感情を喚起させる。
リアリズム写真を開拓した木村伊兵衛や絶対非演出、絶対スナップを標榜した土門拳に強く影響を与えただけある。

青森から岡山まで1500キロあまりを陸路で帰って来た。遠かったけど八甲田山、岩木山、八幡平、岩手山、磐梯山、そして夕時の富士山と秀峰を車窓から眺めながら帰るのも悪くない。
名山はその地域のシンボルであり、誇りでありブランドである。
かつて陸羯南は「名山の見える土地はすばらしい士を出す」と言ったが、わかるような気がした。心の支えがあるともう一踏ん張りできるのだろう。

もとは日本酒の醸造所。
まちを挙げて歴史や文化を創造的に継承する姿勢に、その街の質を感じる。
ロゴマークデザインは服部一成氏。ロゴデザインとは何かを考えさせてくれる。恐らくそれも狙いの一つだと思われる。
色々と考える事で、新たな歴史や文化が作られる。
建物改修は田根剛氏。

とある仕事で小坂鉱山で有名な秋田県小坂町に行ってきました。今では山間ののどかな町でしたが、小坂鉱山は明治40年には鉱産額日本一の大鉱山に発展。それに伴い秋田県内最初の電気利用、上水道施設、電気鉄道、県下一の総合病院「小坂鉱山病院」、東北一の劇場「康楽園」など鉱山を基盤として小坂町はまさしく文明開化の最先端を突き進んでいて、当時秋田市に次ぐ県下第二の都市だったようです。
そして意外にも千キロ以上離れた岡山と縁があることに驚きました。

官営だった小坂鉱山を明治17年に引き取ったのは児島湾干拓で有名な藤田伝三郎が興した藤田組（現DOWAホールディングス）でした。
また小坂鉱山鉄道で使用されていたディーゼル機関車は、岡山県の柳原鉱山も同和鉱業（現DOWAホールディングス）が経営していた関係で、片上鉄道（柵原鉱山鉄道として運営）が使用していたものを転入したらしいです。

これだけ遠いところに岡山という文字が何箇所か出てきたことが岡山県民としてどこか誇らしかったです。

江戸末期から明治・大正・昭和にかけて一大産業で栄華を極めた町も資源の枯渇と環境汚染により、衰退ではなく正常に淘汰され、自然の威力でもとの姿に戻り、ある意味、人間は護られたのですね。
明治に入り、北東北の静かな町に近代化という欲望と間違った理想が突然襲ってきただけで、幻想から目覚めたこの姿こそ、本来の小坂の町なのかなと思いながら、流行りのクマ出没の心配を除けば、とても居心地の良かったこの町を名残惜しく後にしました。

青森の街も今週末から「ねぶた祭り」です。
内陸の弘前は「ねぷた」で海沿いの青森は「ねぶた」と言うらしいです。どちらも「眠てぇ」から来ているようです。
しかし「ねぶた」の美しさと創造性には圧倒されますね。絵画であり、グラフィックデザインであり、建築であり、彫刻であり、音楽であり、舞踊であり。それぞれの想像力が見事に結託している。
また日本の祭りとしては珍しく特定の寺社と結びついた祭礼ではないのも特長の一つです。

一年でもっとも熱くなる青森の街から、少しパワーを分けてもらったような気がします。

お久しぶりです、シャガールさん。
相変わらずデカいですね！

夜行列車で来た訳ではなく、雪の中でもないし、北へ帰る人の群れもなかったけど、青森駅にはなぜか旅愁や郷愁を覚える。
昭和の時代、本州、九州、四国すべての国鉄路線がここに収斂されていたことを考えると、胸がゆすられる。
青森駅はやはり日本人の心の終着駅だったのかもしれない。

幸いにも熊と遭遇することなく、秋田の山奥での仕事を終え、弘前に出てきました。
弘前は来週末からいよいよ「ねぷた祭り」です。

ご家庭用、お得なシャインマスカットの店頭販売もしています。
今年も少しだけデザインを手がけてます。