December 25 2020

ウィリアム・モリスとパヌルー神父

周南市美術博物館で開催されていた「ウィリアム・モリス」展にギリギリ何とか滑り込めた。今回は壁紙、テキスタイル、刺繍など主にデザイナーとしてのウィリアム・モリスの紹介だったが、やはりウィリアムモリスと言えば「アーツ・アンド・クラフツ運動」であろう。言わずもがな、産業革命によって機械化、工業化された社会の中で、ものをつくることを人間的な仕事=手工芸として復興、取り戻そうという動きであり、特に自然から学ぼうというもの。そもそも人間はそれまでは自然と協調してものづくりをしてきた歴史があった。

翻って今日、新型コロナウィルス蔓延は地球温暖化や大気汚染が遠因ではないかと言われている。つまり人間の手による自然破壊。共生しなければならないはずの自然を人間が破壊しているその報いではないかと考えてしまう。
アルベール・カミュの「ペスト」でパヌルー神父は黒死病が街中に蔓延する中、聖堂に集まった信者に対してこう説教を始めた。「この状況は当然の報いであり、反省する時が来たのだ」と。
どこかの首相が「人類がウィルスに打ち勝つ」などとまるで戦意高揚のような発言をしたが、勝ち負けの概念自体がお門違いであり、そういった人間の傲慢さや不遜を悔悛しない限り、収束はしないだろう。そもそも何をもって収束とみなすのか?具体的な数字もはっきりしない。
外出や帰省の自粛、時短営業要請など付け焼刃の処方では収束には程遠い。むしろ経済打撃が大きすぎて企業店舗倒産が拡大する懸念がある。現にゴールデンウェークやお盆時にも同じことを要請していて、効果が特に見えないどころから増え続けている。帰納的推論として今後も同様に繰り返すだけだろう。「勝負の3週間」が何度も続き、勝負し過ぎて疲れるだけである。ある人が言っていた、「過去の歴史をみての通り、国が煽動する言葉に真実はなかった」と。我々はこの難局と対峙するために自らとるべき行動を宰相ビスマルクが言うように歴史から学ぶ必要があるのだと思う。

「死と懊悩と叫喚のこの歩みを通じて私どもを本質的な静寂に、あらゆる生活の本義に導いてくれる」。パヌルー神父のこの言葉に希望を見出したい。
以上、ウィリアム・モリス展を観て感じたことである。笑

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December 19 2020

ラッキー

先日久しぶりに「早朝会」に参加しました。早朝会とは月に一度文字通り、早朝7時からホテルで朝食を食べながら親睦を図るものです。40年近い歴史があり、老舗企業の代表の方や、岡山県の元副知事、全日空や日銀の岡山支店長さんなど、経験豊かな方々が参加されています。

創設者のお一人で末長グループ代表の末長さんは近況報告の中で、「自分はラッキーだ。」というようなお話を何度か続けてされました。しかしそもそもそんな「ラッキー」なことって続くのでしょうか?いやいやそんなはずはない、運の良し悪しは半々ではないか。だとしたら「ラッキー」っていうのは事象としてあるのではなくて、観念として感じるものではないか。そしてそれがさらに「ラッキー」を引き寄せているんだと。末長さんの温厚で器の大きいお人柄などから察するに、ついそんな風に感じてしまいます。そしてそんな「ラッキー」な末長さんのお話を聞けて自分も「ラッキー」だと。

この緑草も恐らく「ラッキー」と感じてここまで成長したのではないかと。植物にもオキシトシンが分泌されるのかな?笑

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December 11 2020

喰切料理 八方と「田中」最新号

高校の先輩方と久しぶりに夜の八方さん。年内は予約でいっぱいのようです。もちろん本日も満席。舌の肥えた先輩方も唸る妙味。ちなみに先日発刊した「田中 NO.33」の特集はこの喰切料理 八方さんで、魯山人の言動から料理の美について個人的な見解を拙文で綴っています。

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